変わる英語教育 ~2020年 新学習指導要領~
今年4月から、2020年施行の「新学習指導要領」に向けての移行期間が始まりました。「小学校で英語が教科に!」「大学入試の英語は4技能へ」等と言われていますが、実際に今年から何がどう変わるのか、主な変更点をお伝えさせて頂きます。新学習指導要領を先行実施する学校、移行措置を取る学校、実施状況は学校により多少異なりますが、小学校では今まで5,6年生に実施してきた「聞いたり、話す言語活動を通して外国語に慣れ親しむ『外国語活動』」を、3、4年生で導入することとなり、5,6年生からは「聞く、話す」に、「読む、書く」の言語活動が加わり、教科としての『外国語科』が導入されます。「教科」となると成績がつきますが、内容は中学英語の前倒しではなく、「語彙や文法等の知識を実際のコミュニケーションで活用し、表現することで理解を深めること」に主眼が置かれています。
また、新たな指導要領では、小・中・高校を通じ、「聞く」「読む」「話す(やり取り)・話す(発表)」「書く」 の5つの領域で目標が設定され、中学、高校の学習目標や内容も変わります。大学入試制度では、2015年から記述式のライティングやスピーキングの面接で4技能を測る外部検定(TEAP)を入試に利用することが一部の大学で始まり、民間の資格を利用する大学の数は年々増加しています。また、現在小6の子どもたちが受験する2024年の入試は、マークシート形式ではなく4技能の資格・検定試験に一本化されます。(2023年までは各大学の判断となります。)そのため、これからは4技能をさらにバランスよく身に付けることが重要になってきます。
◆小学校での授業数
【3、4年生】
2018年~2019年 移行期間
外国語活動 15時間
↓
2020年 新学習指導要領
外国語科 35時間(週1回)
【5、6年生】
2018年~2019年 移行期間 現在必修の35時間から15時間増やし、計50時間の外国語活動及び外国語科の内容を取り扱う。
↓
2020年 新学習指導要領 外国語科 70時間(週2回)
◆取り扱う単語数
単語数は、新学習指導要領で最大2000語も増加することになります。さらに、指導要領で目標にしているのは、丸暗記した単語力や翻訳する力ではなく、きちんと内容を掴み、理解し、自分の意見を伝えるなどの高度な目標が設定されています。
◆中学校における変更点
中学では2021年から新学習指導要領が完全実施となり、それまでは小学校は高校との接続の観点から、知識・技能について新たに追加した内容と、それを活用して行う言語活動を行います。
新学習指導要領で主に変わることは、
●授業は英語で行う。
●互いの考えや気持ちを伝えあう活動や、具体的な課題を設定し、学習した語彙、表現等を実際に活用する言語活動を充実
●「まとまりのある英語を聞いて,概要や要点を適切に聞き取る。」「与えられたテーマについて簡単なスピーチをする。」「 自分の考えや気持ちが正しく伝わるように書く。」といった内容が追加されています。
当スクールではこのような変化に対応できるよう、昨年から、小学生、中高生クラスのコースブックを幅広いテーマの英語に触れられるOur Worldシリーズ(小学生)、Time Zoneシリーズ(中高生クラス)へ変更し、思考力・読解力・表現力がより高められる英語教育に努めています。