「英語が聞き取れない!分からない!」対処法
「分からない単語が出てくるとパニックになって、その後は何も理解できなくなってしまいます。」と、生徒さんから度々伺います。このようなお悩みを抱えている方はたくさんいらっしゃって、克服するのは容易ではないようです。「日本語でも分からない単語があってもメッセージは理解できるように、英語でも全体を聞いて一つの単語にこだわらず概要をつかめば良い。」と言うのは簡単でも、母語と第二言語は違いますから難しいですよね。今月は、パニックになるのを少しでも回避できる方法を書きたいと思います。
まず、大切なことは「遠慮せずに相手に聞くこと」です。相手に聞き返すと悪いと遠慮しがちな日本人は多いですが、分からない時には分からなくなった時点で確認することが大切です。聞き返すことは相手に悪いことでなく、分からないけれど、そのままうなずいている方が、相手にとってはきっと残念なことですし、失礼にもなってしまいます。勇気を出して、
Could you repeat that? もう一度言ってもらえますか?
What did you say? 今、何て言いましたか?
What does “ … ” mean? “ … ” はどういう意味ですか?
How do you spell …? スペルを教えてもらえますか?
Could you speak more slowly? もっとゆっくり話してもらえますか?
Could you say that again? もう一度言ってもらえますか?
と言ってみましょう!
このように聞き返さないと、相手は理解できていると思い、どんどん話し続けて、こちらは全く分からなくなり、頭が真っ白になってしまします。分からないことを聞くことで相手はスピードや単語を分かりやすく合わせてくれるはずです。決して相手を嫌な気持ちにさせることではありません。また、分からないことを確認することで、新たに学ぶことができるのです。
また、聞き返すことは大切ですが、全体の話の流れや概要がつかめていれば、分からない1語、2語にこだわらないということも大切です。分からない単語があっても、話に影響を与えないことも多くあります。「こういう話だな、だいたい分かる。」という状況なら、分からない単語がでても、落ち着いてそのまま話を聞き続けると全体的な流れをつかめます。
この「落ち着いて」ということが大切なのですが、不安や緊張が少ないほど、英語を吸収しやすくなります。ことばを覚えるのは脳の働きですが、その働きに大きな影響を与えるのが「心」です。心がリラックスしていると言葉も入りやすいのです。言語学者のStephen Krashenは、恐怖や不安により、頭に入ってくるはずの英語にフィルターがかかってしまい、英語の習得を邪魔してしまうことを、「情意フィルター仮説(the Affective filter hypothesis)」という仮説で提唱しています。
私も電話で話す時や初めて会う人と話す時は緊張します。緊張する時は深呼吸をして落ち着かせます。自信を持って話せば、自信を持たない時よりも必ず伝わります。「私の英語は下手で通じない。人前で恥ずかしくて話せない。」とおっしゃる生徒さんがいらっしゃいますが、そうおっしゃる方々の話される英語は、きちんと伝わっています。ぜひ自信を持ってください。不安になったら、”My English is good enough to communicate!”と自分に言い聞かせましょうJ