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~コロケーションとは~ “かたまり”で覚える英語

先月号のネイティブコラムは「子どもと大人の英語習得の違い」でしたが、今回は、子ども達の英語習得の特徴である「チャンク(かたまり)で覚える」ことについて少し書きたいと思います。

子どもは一般的に、何でも「口に出して真似する」ことが上手で、聞くだけで身につけていく、分からないところがあっても分かるところだけで楽しめる、という特技をもっています。例えば、子どもたちの好きな絵本に”Go away, Big Green Monster!”という本があり、繰り返し出てくる”Go away”という言葉が自然に出てきます。誰も”go”が「行く」”away”が「離れて」で、この二つの語が一緒になって「あっちへ行け!」という意味になるなど知らないのです。逆に、大人の場合それぞれの語の意味と用法を理解することができます。そして”I was away from home.(留守にしていた)” “Stay away!(近づくな!)“など応用のきいた文章を学んでいくことができます。大人になるにつれ、きちんと一つひとつ理解したいという気持ちが強くなり、分からないことを口にすることに躊躇してしまいます。でも、*コロケーションを覚える癖をつけることで、こどもの得意とする「かたまりで覚えてしまう」ことも可能になります。

*Collocation(コロケーション)って何?「言語において、単語同士の自然な組み合わせ」のことで、どの語とどの語がくっつきやすいかということです。

“strong” or “thick”
コーヒーの濃いは、strongでも、スープだと”strong soup”とは言わず、”thick soup”を使います。”でも、「訛りが強い」と言うときには、a thick/strong accentどちらでも良いのです。

“busy”はどんな語とくっつく?
“a busy day”「忙しい日」という時間の単語だけでなく、”a busy street”「にぎやかな通り」という場所の単語や”The line is busy.”「(電話が)話し中です」 の電話の決まり文句など、組み合わさる単語で意味が変わりますが、かたまりで覚えると「話し中」を和訳しようとせず、”The line is busy.”と出てきやすくなります。

 ちなみに、以前にNHK番組で「コーパス100で英会話」という番組があったのですが、この「コーパス」というのは多くの文書や話された言葉をコンピュータで収集、蓄積した言語データベースのことです。コーパスを利用することで、どの語はどの語と一緒に使われやすいのか、前置詞は何とくっつくのか、と自然なかたまりを教えてくれます。以下、コーパスのサイトです。2つ以上の単語をいれて検索するとそれらが自然かどうか、どのように使われたか見ることができます。http://www.americancorpus.org/  http://www.natcorp.ox.ac.uk/ 

 また、「一つひとつの単語の意味が分かっているけど、全体の意味が分からない」ということもあると思います。コロケーションを意識し、この単語はどんな言葉とくっつき、どんな意味で使われたのかという「かたまり」をためることで、その状況にあった全体の意味を理解しやすくなると思います。またこのことは、自然な英語を話す力にもつながります。



by TokyoPassport | 2010-08-01 12:27 | 英語学習法 | Comments(0)
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日々生徒さんとのやりとりで感じたことや英語教育に関することを中心に書いています。東京パスポート学院の生徒様をはじめ、英語教育に関心のある方に読んで頂けるとうれしいです。 www.gakuin.co.jp


by TokyoPassport 辻井 清江
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